平和学習資料の一つとして
中学校の修学旅行の事前調査でアブチラガマを見学した際に案内のガイドさんから紹介された本です。 訪問する機会があれば事前・事後どちらでも平和学習のためによい資料となりますし、訪問しなくとも実際にすんでいるところが戦場になったらどうなるのか、イメージづくりも役立ちます。 戦後60年になり、戦争体験者のお話を聞く機会がだんだん難しくなる中で、このような丹念な体験・調査の記録はとても貴重だと思います。
もうたまりません、この生々しい声
沖縄旅行に行くので少しでも沖縄戦の勉強をしておこうと思い、いろいろ探してみて、値段が手頃だったので本書を選びました。不埒な理由ですね。「ガマ」という、自然の洞穴を利用した壕の記録なので、これで沖縄戦全体が見えるようになるのかなという不安がありましたが、もう十分、ごめんなさいという感じでした。悲惨という言葉で語るのはあまりにも陳腐ですが、他に言葉が見つかりません。 傷口ウジがわいたとはよく聞かされたけれど、その様子を「爪楊枝の丸い束のように肉が盛り上がり」「その傷口をちょっとつついたら突然グジュグジュと傷が動き出した(つまりそれは大量のウジだった)」と描写されては、もう鳥肌を立てずに読めません。このような体験者の肉声は、まるで映像でも見ているように読者の想像を駆り立てます。 「ひめゆりの塔」の資料館を訪問して、壕のレプリカを見ると改めて、このようなところに重傷の傷病兵が、ろくな手当もないままにすし詰めにされていたのか、それをお世話していたのが女子高生だったのかと、本書を読んでいればこそ真に迫ってくるものがありました。
一人でも多くの方に読んで頂きたい
沖縄戦経験者への丁寧な取材と25年にもわたる綿密な調査の結晶。 大局観ではなく、民間人レベルでの沖縄戦の記録です。 時期毎のガマ内見取り図が付いており、苦労の後がうかがえます。 信念を通り越して執念のようなものすら感じます。 また証言や事例には多角的な検証がなされており、 著者の事実把握のスタンスには大いに好感がもてました。 なかなか手にとって読むことが出来ない参考文献からの引用もあります。 長寿の島とはいえ、年々証言者が減る昨今、 これだけ貴重な記録が新書で読めるのは心から有り難いことです。 これから沖縄に修学旅行で行く人がいたら是非読んでくださいね。 もちろん学生さん以外の方にもオススメです。
集英社
ひめゆりの塔 (講談社文庫) 観光コースでない沖縄―戦跡・基地・産業・文化 ひめゆりの沖縄戦―少女は嵐のなかを生きた (岩波ジュニア新書) 戦争と沖縄 (岩波ジュニア新書) 豚の死なない日 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
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